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ねぎす
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性別:
女性
誕生日:
1995/04/17
職業:
学生(JK)
趣味:
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自己紹介:
ねぎす/みど太/きみど太/まぜん太
名前がごちゃごちゃとしていますが、どの名前で呼んで頂いても過敏に反応いたします。
音楽も本も大好きです。
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エステルさんぐわあああああ遅れまくりうわあああああんはぁはぁニコエスはぁはぁあえあああエステルさん色々違うわああああん

伝われ愛。そして遅れたとかいう問題じゃないぐらいの予想以上の誤発すみません。すみません。

華電さん宅エステルさん

おかりしました!





 ニコスは騎士として強かった。勿論ニコス以上、同等、の騎士もいることと思う。彼は心理的なものにも強く、その上努力家であり、自分の感情で動かない、理想的な騎士であった。総合的に、彼は大変強かった。

 貴族出身ばかりの同僚たちと付き合うことは、まず無かった。庶民出身の自分を毛嫌いするため、ニコスにも感情がないわけではない、我慢に堪えうるものがあるのだ。そんな庶民出身の自分が、えらく立派な方の騎士となったのだから、当たり前の如く喋る相手がいなくなった。しかし、彼には愛する人がおり、しかもその人の誕生日は今日であり、主人は今日と明日と休みをニコスに取らせ、プレゼントは以前から用意しており、身近な人からの優しさが、今日、ニコスに与えられていた。当の本人は相変わらず無表情であった。


「あ、騎士様!」
「エステルさん、今日はお互い休みですよ。」
「そうでしたか、では、ニコスさん、ですね。」


 ニコスは、少し照れている愛しい人を見ても、表情を変えなかった。まるで、自分では倒しきれない敵を目の当たりにして、冷静ぶっているようだった。彼をそこまで追い詰めているのは、愛しいエステルさんに誕生日プレゼントを渡す(紳士的に日頃の感謝の言葉をのせて)ことである。定型文を無表情で述べ、角度ぴったりにお辞儀をして、渡すことはできる。それは、愛しい人への間違った作法だと分かっているのだ。しかし脳は動かない。ろくに女性を口説いたこともない男が、男を口説こうというのだから、立ち向かいし騎士様とて、できることとできないことというのは有るものなのだ。


「お休みの日は、やはり訓練なさっているんですね。ふふ、相変わらずで。」
「体が資本ですから。あ、汗臭いですね、申し訳無い。」
「いえいえ、そんなことは!いつも花の香りがします。僕は好きだなぁ。」


 上手い台詞が思い浮かばず、この積もりに積もった思いの丈を大木の幹にぶつけていた。一人で訓練をするにはうってつけの場所なのだが、秘密の場所というわけでもない。ただ、愛しい人は、ニコスが今日ここに来ることを知っていたようで、仕事中よりのんびりと、ニコスに近付いてきた。ニコスの心はざわざわした、どころの話ではなかった。声をかけられたとき、大木をへし折るのかというぐらいに蹴った。ミシ、と嫌な音が鳴ったが、ニコスは至って平然と、冷や汗を拭って、訓練をやめた。愛しい人は優しく、その汗を激しい訓練のために流れ出たものと思っておられる。不甲斐なさに、皮肉っぽく笑った。

 下っぱの王国兵士の上に不倫した、女好きの父の血が半分でも流れているのに、役に立たない。別段さらりと、憎しみの感情などは無く、そう思った。顔の汗と手の汗を拭うと、自分の部屋へと、愛しい人を招いた。父と自分を比較したとき、奴にできないことが自分にできないわけなど、どこにもありはしないのだ、と思った。少しぎこちなくはあるが、愛しい人の手を握り、自分の部屋へと二人で歩いた。


「・・・やはり、ニコスさんのお手は、強いですね。」
「まぁ、マメやらで自然とこうなってしまいますね。武骨な手です。」
「あ、いえ、守っていただけるという安心感が、伝わるなと・・・い、意味わかんないですね!すみません・・・」


 五分、手を握っただけで、自分の手の有り様を教えられた。主人を守り、愛する人を守りたいとは、当たり前のように思っている。でなければ訓練などしない。ただ、彼が自分を愛してくれているのなら、自分を卑下して言うのを止そうと思った。自分が彼を愛しいように、彼も自分を愛しいなら、自分を卑下する権利など、お互いに剥奪されている。ニコスは優しく笑って、部屋の扉を開いた。


「貴方が生まれてきてくれてよかった。」
「そ、そんなこと、僕の方こそですよ!」
「はは、有難う。けれど、今日はエステル、君の誕生を祝う、一年に一度の日だ。」


 まだ乾かない汗が、窓からこぼれる光にキラキラ光る。エステルは顔を赤くしながら、部屋のソファに座らされた。おめでとう、とエステルの額にキスを落とし、気まずさに堪えかねてプレゼントを取り出してきた。お互い夕陽より赤く、泉の水より清かった。


「全てが、クリスタルの指輪です。形見というか、珍しい物なので、プレゼントします。もう一つは護身用の短剣です。俺の金の髪の色をした金と、貴方の瞳の色、海の色をした石がついた、一点物です。・・・特注させました。」
「た、高そうなのばかりじゃないですか!それに形見なんて、」
「指輪は二つ、あるんですよ。」
「え、」
「嫌なら捨てて構いません。俺は、」
「嫌なわけ、無いです!指輪だって短剣だって、見る度貴方ばかり思い浮かんでしまう、そんなのばかり・・・!僕は、もう、」


 仕事を誰よりこなす政官が、感極まって泣いたのだ。透き通る指輪に落ちた涙も、海の色をした瞳から流れ出て、その瞳に写るのは、金色の髪をした


「愛しい人、」
「っ、照れます・・・」
「生まれてきてくれて、有難う。」


 二人は優しくキスをした。




おわり
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